【野球】ヤクルト原樹理 新人王獲得は
今季のセ・リーグには実戦派で、まさに即戦力になりそうなルーキーが多い。巨人のドラフト1位・桜井俊貴投手(立命大)やドラフト2位の重信慎之介外野手(早大)もそうだ。今季、連覇を狙うヤクルトにも開幕ローテ入りの可能性がある投手がいる。
ドラフト1位の原樹理投手(東洋大)だ。春季キャンプは、1軍スタートでここまで順調に仕上がっている。既に2度、フリー打撃にも登板し実力の片りんも披露した。
キレのある直球に加え、スライダーやカットボールなど変化球も多彩だ。何よりも本人が「自分の軸になる」というシュートが最大の武器。キャンプで右腕をマークしている阪神・嶋田宗スコアラーは「球種が多彩ですし、あのシュートはやっかいですね」と要警戒マークを付けている。 真中監督の期待も大きく「開幕ローテ候補。(先発の)5枠、6枠というところ」と明言している。当然、ルーキーにとっては大チャンスだ。チームとしても小川、石川、館山の3本柱以外は、先発ローテが確定していない事情もある。今後は杉浦、新垣、山中、成瀬らの先輩たちと先発の5、6番手をかけて争う。
結果でアピールし首脳陣の信頼を勝ち取る必要があるが、勝利を積み重ねていけば見えてくるのが新人王だ。ヤクルトの選手で新人王獲得となれば、13年に16勝をマークした小川以来、3年ぶりになる。
原樹は、その小川のチェンジアップの握りを教わり、今キャンプで習得を目指している。「しっかり投げられるようにしたいです」。緩急を付けて、投球の幅を広げるのが狙いだ。努力を怠ることもなく、常に進化し続けている。
即戦力右腕の実戦デビューは、21日の阪神とのオープン戦(浦添)。今季の最大のライバルになるかもしれない相手でもあり、先発し、どのような投球を見せるのかにも注目が集まる。開幕ローテ入りし、チーム3年ぶりの新人王獲得を目指す“ドラ1右腕”の挑戦がこれから始まる。(デイリースポーツ・伊藤玄門)