大阪桐蔭に生じた焦り 2回戦敗退

うつむきながらベンチに戻る大阪桐蔭・西谷監督=甲子園
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 「選抜高校野球・2回戦 木更津総合4-1大阪桐蔭」(26日、甲子園球場)

 優勝候補の大阪桐蔭が木更津総合に逆転負けを喫し、2回戦で姿を消した。西谷浩一監督(46)が指摘したのはチームの焦り。それを象徴したのが3点を追う八回のプレーだった。

 1死から永広が中前打で出塁した。「塁に出たら永広が走りたそうなしぐさをしていた。何とか状況を打開したかったんだと思う。でも状況的に塁に走者を置いて勝負した方がいいと思った」と西谷監督。あえて走者を動かさず、中山には打てのサインを出した。

 カウント2ボールからの3球目、捉え損ねた打球は中前へフラフラと上がった。外野は長打警戒で後ろに下がっており、落ちると判断した永広はハーフウエーから一気にスタートを切った。

 だが打球は風に流され中堅手のグラブへ。二塁を回っていた永広はもう戻れなかった。痛恨の併殺プレー。一つ上の代から二塁手のレギュラーとして試合経験を積み、中心的存在だっただけに「本人とはまだ話をしてないですけど、永広がやるプレーではなかった」と指揮官は言う。

 昨秋の戦いをひもとくと、公式戦で3点以上のビハインドをひっくり返した試合はなかった。エース・高山の活躍もあり、勝ちゲームは先行逃げ切りか、1点差の接戦を強固な組織力でものにしてきた。

 この日、3点を追う展開になり、選手間に生じた焦り-。五回終了後のグラウンド整備中に西谷監督がベンチ裏で選手を諭したが、各打者は低めの緩い変化球にバットが止まらなくなった。そして八回のプレー。試合後、三塁アルプスの前で涙ぐむ選手に「ああいう投手を打たないといけない。それが甲子園」と伝えた。

 「打線に本当の力がなかった。それを課題に夏を目指したい」と指揮官。一発勝負のトーナメントを勝ち抜く強さを身につけ、夏は深紅の大旗を狙う。

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