“癒し系”海星・永石 意地のアーチも

6回海星1死二塁、中越え2点本塁打を放つ永石=甲子園(撮影・持木克友)
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 「選抜高校野球・準々決勝、高松商17-8海星」(28日、甲子園球場)

 海星が高松商に敗れ、4強進出を逃した。5点を追う六回、5番・永石拓武内野手(3年)がバックスクリーンへ反撃の2ランを放ったが、投手陣が崩れた。

 高々と舞い上がった白球が追い風に乗った。美しい放物線を描いた打球はバックスクリーンへ着弾。右手を突き上げ、巨体を揺らしながらダイヤモンドを一周した永石。「打った瞬間は入ると思ってなかった。走りながら入れ、入れと思った」と笑みを浮かべる。

 3点差へと追い上げる一撃に球場の雰囲気は変わった。だが投手陣が崩れて17失点の敗戦。反撃の炎は相手の強力打線にかき消され「夏はこれ以上の打線になって海星の野球をしたい」と力を込める。

 174センチ、93キロとぽっちゃり体形の永石には、今大会、ひそかな目標があった。「実は甲子園で盗塁してみたいんです」。

 海星に進学してからは盗塁のサインが一度も出ることはなかった。だからこそオフに食事制限をかけ「動けるぽっちゃりを目指してやってきました。監督とか誰かに言ったことはないんですが、胸の内に秘めてます」と試合前に明かしていた永石。幼少期からアンコ型の体形で、早く一塁へ到達するために左打ちへ転向させられた過去を持つ。

 打撃では一発を放つなど中軸の役割を十二分に果たした。だが自らが立てた目標は達成できなかった。「盗塁は夏に取っておきます」と優しい語り口で明かした、“癒し系”の主砲。必ず、8月の聖地に戻ってくる。そしてひそかな野望を成し遂げる。

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