智弁学園エース村上がサヨナラ二塁打

 「選抜高校野球・決勝、智弁学園2-1高松商」(31日・甲子園)

 智弁学園が延長十一回にサヨナラ勝ちで高松商を下し、春夏初めての優勝を決めた。試合を決めたのはエースの村上頌樹投手(3年)。今大会、669球を投げ抜いた右腕の一振りが、激闘に終止符を打った。

 「良い感じで振り抜けた。抜ければ高橋が帰ってきてくれると思った」と村上。延長十一回2死一塁、初球の浮いた129キロストレートを見逃さなかった。「今まで直球で抑えられてたので、直球しか狙っていなかった」とフルスイングした打球は左中間に向かって伸びていった。

 中堅・安西のグラブは届かず、白球が緑の芝生に弾む。一塁から高橋直暉内野手(3年)が一気にホームへ滑り込み、二塁に到達していた村上は右拳を振り上げた。そこに自然と歓喜の輪ができあがり、抱き合う選手たちの目からは大粒の涙がこぼれた。

 全5試合を1人で投げ抜いた右腕。最後はボールが上ずった。「終盤には下半身に力が入らなかった。気持ちだけで投げていた」と村上。同点に追いつかれてからは球場全体が高松商を応援していた。古豪が織りなす伝統のパワーが小さなエースに襲いかかった。

 それでも「むしろ楽しかった。ここで抑えたら球場はどうなるんやろうと思って投げていた」と時には笑みを浮かべ、相手の猛攻を防ぎきった村上。「自分たちの代で歴史を変えようと話をしてきた。歴史は変わったと思います」と力を込めたエースが、智弁学園に初の大旗をもたらした。

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