高松商1960年V主将は、決勝相手と観戦
「選抜高校野球・決勝、智弁学園2-1高松商」(31日・甲子園球場)
高松商が優勝した1960年大会当時の主将・山口冨士雄さんは、三塁側アルプスで観戦。隣には同決勝で対戦した米子東の主将、吹野勝さんの姿があった。
高校を卒業して7~8年たった20代半ばのころ、食事をともにする機会があり、親交がスタート。お互いの母校が甲子園に出場すると、一緒にアルプスで応援するようになった。
60年大会では、山口さんが大会史上初の決勝でのサヨナラ本塁打を放った。一塁手だった吹野さんは「レフトのラッキーゾーンに打たれてね。最初ワンバンだと思ったら、審判が手を回していたのを覚えています」と振り返る。56年の時を経て、戦った相手と思い出深い同じ決勝を観戦。「最高ですね。こういう機会は死ぬまでないと思っていましたから」と、感慨に浸った。
聖地を舞台に、半世紀以上続く友情。山口さんも「決勝は独特の雰囲気がある。僕らの時は、こんなにお客さんは入ってなかったけどね」と、当時の雰囲気を思い出した様子だった。