巨人は２９日、野球賭博問題で無期失格処分を受けた元所属の笠原将生容疑者（２５）が賭博開帳図利ほう助の疑いで逮捕されたことを受け、球団が行った調査結果の概要を公表した。

　巨人の発表によると、笠原容疑者が２０１４年４月上旬の名古屋遠征中、名古屋市内の違法カジノ店でバカラ賭博を行い、その店にサイン入り色紙を残したという情報を同月中旬に入手。本人に事情聴取したところ、「名古屋に在住している中学・高校の先輩から『食事に行こう』と誘われ、ついて行ったところ、違法カジノ店に連れて行かれた。先輩から言われるままにバカラ賭博をし、８０万円を受け取った」と説明した。

　球団は、受け取った８０万円を返却させた上で、笠原容疑者の先輩を通しサイン入り色紙を回収。笠原容疑者は「先輩にだまされて違法カジノ店に連れて行かれた」「二度と賭博はしない」と反省の色を見せたため、罰金を科したうえで厳重注意処分とした。

　しかし笠原容疑者は、この時期に斉藤聡容疑者（２９日に賭博開帳図利の疑いで逮捕）らを相手に野球賭博を始めており、その後高木京介元投手、松本竜也元投手を野球賭博に誘い込んだ。また違法カジノ店通いも続けていた。

　２０１６年２月末、高木京介元投手の野球賭博関与が発覚。調査の結果、笠原容疑者がチーム内で野球賭博への勧誘を活発に行っていたことが判明したため、笠原容疑者へ調査への協力を申し入れたが、「忙しいので調査には応じられない」「弁護士同席なら調査に応じてもよい。しかし弁護士はまだ決まっていない」「マスコミ同席なら調査に応じてもよい」「事前に質問事項を文書で出すなら調査に応じてもよい」などとして、結局調査には応じなかったとしている。

　球団は「斉藤聡、笠原将生の両容疑者が当球団内部で野球賭博の勧誘を行っていた実態が解明されるよう、今後も警視庁の捜査には全面的に協力していく所存です」とコメントした。