長嶋氏「青い稲妻」松本氏の新婚旅行をやめさせた 37年ぶりに由佳夫人と再会
プロ野球・読売巨人軍の長嶋茂雄終身名誉監督(80)が22日放送のTBSテレビ「壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち」に特別出演し、かつての傘下選手でチームスタッフとして共に活動した松本匡史氏(61)の夫人・由佳さん(56)と37年ぶりの再会を果たした。
番組では1976年秋にドラフトで5位指名した当時早大4年・松本氏との交渉の場に、監督だった長嶋氏が直接出向いたシーンを再現。入団後の79年秋にレギュラー選手への期待を込めて「地獄の伊東キャンプ」で長嶋氏が「一番しごいた選手」としてマンツーマン指導したシーンは実録映像で紹介された。
同年12月の松本夫妻の結婚式では、長嶋氏が「披露宴をぶちこわすかもしれませんが」と前置きした後に、「鈴懸の径」を歌い、途中で歌詞を忘れるシーンを実映像で紹介。そして、現役短大生でプロ野球選手の妻となった当時20歳の由佳さんと25歳の松本氏が、ハワイへの新婚旅行予定を報告するため長嶋氏を訪ねた際に、同氏から「うん?なあマツ、今のおまえは旅行なんかしてる場合なのか」と切り替えされ、松本氏が「ハイ、練習します」と旅行の中止を即答。隣に居た由佳さんは「ショックでした。思い描いていたものが消えてしまった。と同時に、プロ野球選手の妻としての覚悟がはっきりと芽生えた」と回想した。
松本氏は結婚後2シーズン目の1982年に盗塁王となり、翌83年には現在もセ・リーグのシーズン最多記録として残る76盗塁を達成。「青い稲妻」の愛称とともに、応援ソングには「ラララ光より速く」というフレーズが盛り込まれた。
今年6月10日に由佳さんは松本氏とともに長嶋氏を訪ね、新婚旅行を中止した時以来となる37年ぶりの再会を果たした。長嶋氏は「はい奥様、新婚旅行(の中止)覚えているよ。強引に話をしたよね」と語り、その後の夫の活躍について「やっぱり奥さんのおかげ、支えてあげたもの。(本人は)自分では言えないから」と、松本氏の感謝の気持ちまで代弁していた。
37年ぶりの恩人との出会いに由佳さんは「あの時は主人も頑張っていたし、長嶋さんの思いが伝わった。感謝だけじゃ言い切れない。記録も作れたし、すごくありがたく、うれしかったです」と思いを述べた。