逸ノ城、大関稀勢の里を破り1敗堅持
「大相撲秋場所・11日目」(24日、両国国技館)
新入幕の逸ノ城(湊)が大関稀勢の里をはたき込みで破る“銀星”を挙げ、1敗を守った。
立ち合いで稀勢の里が2度の待った。3度目の立ち合いで逸ノ城は右手で稀勢の里の首に手をかけた直後、左に素早くかわって稀勢の里の背中を上から抑え、相手を前のめりにさせて勝ち星を挙げた。
新入幕力士が大関に勝ったのは、2000年夏場所で栃乃花が千代大海と貴ノ浪の2大関を破って以来。栃乃花はその場所で12勝3敗の成績を残し、敢闘賞と技能賞を受賞した。また、逸ノ城の初土俵から5場所での大関戦勝利は長岡(後朝潮)の6場所を抜いて史上最速記録となった。
インタビュールームに呼ばれた逸ノ城は「うれしいです。前に出たかったけど、引けちゃって。最初は自分の右四つで右を差していこうと思いましたが、途中から引いてみようかと思いました。(2度の待ったで気持ちが変わった?)ハイ。待った2度でちょっと硬くなりました。(14年ぶりの快挙に)ありがとうございます。完全にうれしいです」と取組を振り返りながら、喜びを表した。
逸ノ城は12日目も新大関の豪栄道と対戦する。今後の成績次第では横綱との取組も浮上するが、インタビューでは「明日からも一生懸命頑張ります。思い切りやっていきたい」と謙虚に話した。
この日の大関戦が決まった前日(23日)にはモンゴルの家族へ電話をかけたという逸ノ城は、「今日は勝ったので『勝ちました』と電話します」と目を細めながら話し、インタビュアーから「優勝も」と振られると、「1番1番頑張ります」と締めくくった。