東京五輪の星 高2阿部が海老沼倒した
「柔道グランドスラム東京・第1日」(5日、東京体育館)
超新星が世界王者を食った。男子66キロ級などが行われ、史上最年少の高校2年生で11月の講道館杯を制した阿部一二三(17)=神港学園高=が、準決勝で世界選手権3連覇中の海老沼匡(24)=パーク24=に優勢勝ちを下すと、決勝も勝利し、初優勝を決めた。
準決勝では開始30秒で海老沼の返し技に有効を奪われたが、その後も果敢に攻め続けた。残り1分を切り、阿部が競り合いから仕掛けた大内刈りで世界王者を大きく崩す。主審はコールしなかったが、ジュリー(審判委員)のビデオ判定の結果、技ありに-。その後は王者の反撃をしのぎ切り、大金星を挙げた。
これがシニアの国際大会初挑戦。“20年東京五輪の星”と言われてきた17歳は、16年リオデジャネイロ五輪に一歩近づく金メダルに「今は自分でもビックリしてる。でも素直に嬉しいです。今日の優勝でリオ五輪が視野に入ってきた。狙っていきたい」と、力強く話した。
超新星の台頭に井上康生男子代表監督も「高校2年生ではこれまでシニア相手に体が追いつかないのが現状だった。ただ、彼は国内外のシニア選手に劣らないどころか上回っている。これは凄いこと。(リオの)代表争いに踏み出してきた」と、賛辞を送った。