錦織 マドリードOPナダル戦で覚醒
男子テニスの錦織圭(24)=日清食品=が22日、テレビ朝日系の報道番組「報道ステーション」に出演し、かつて指導を受けたこともあるスポーツキャスター・松岡修造氏(47)と対談。今年の快進撃につながった“覚醒した瞬間”を明かした。
錦織が「あれが今年一番ビックリした」と振り返ったのは、5月のマドリード・オープン決勝。“土の王者”ナダルを相手にした赤土での試合だったが、途中から主導権を握り、どんどんナダルを攻め立てた。残念ながら腰を痛めて途中棄権したものの「自分が打つショットがすべてウィナーになったり(決まったり)常にナダルを左右に振っているという感覚があったので、今までにない感覚でした」と手応えたっぷりに語った。
覚醒した自分に気づいた瞬間-。松岡氏にどこが一番変わったのかと聞かれると、「今まで見落としていた『浅いボール』を、しっかり前に入って体重を入れて打つことができてきている」と説明した。
トップクラスの選手が相手になると、打ち返されるのは『深いボール』ばかりで、体重をかけやすくて攻撃しやすい『浅いボール』はなかなか来ない。そんな中で数少ないチャンスボールを見極め、思いきり良く前に出て行くことができるようになったという。
今季の錦織は、ファイナルセット21勝3敗の勝率88パーセントでツアー1位。この日、松岡氏に通算勝率でも78パーセントでボルグ、ジョコビッチら伝説の選手たちを上回り歴代1位であることを聞かされると「自分の中でも、これ結構すごいことなんじゃないかと…」と笑顔を浮かべた。
続けて「駆け引きもうまいところが歴代1位のところかな」とサラリ。「特に昔は体が小さくてパワーがなかったので、いろんなショットを駆使して相手の嫌なところを詰めていくことで勝てていたので」と、小柄なジュニア選手には大きなヒントになりそうな金言を口にした。