中村改め大輝 前相撲で白星デビュー
12年の学生横綱で日体大から大相撲入りした中村改め大輝(だいき=八角部屋)が10日、大阪市ボディメーカーコロシアムで行われた大相撲春場所3日目の前相撲で初土俵を踏んだ。立ち合いからの強烈なひと突きで福湊(湊部屋)を土俵外に突き出して、わずか1秒足らずの速攻劇で見事に白星デビューを飾った。2連勝すれば12日の5日目に行われる一番出世披露に臨み、5月の夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)から序ノ口の番付に載る。
直近の1年間でビッグタイトルを獲得できず前相撲からのスタートとなった大輝だが、さすがにここでは実力が違った。記念すべきプロ入りの一番を圧勝で決めて、「最初は緊張しましたが、アマと違って会場が広く感じました」と周囲の雰囲気を感じる余裕があった。部屋での稽古では幕下、三段目の力士を相手にほとんど負けないそうで、入門してから体重も4キロ増えた。「稽古しているのに体重が増えるんです。今はちょっとダイエットしてます」と苦笑い。
注目を集めている関学大出身の宇良(木瀬部屋)とは、大学3年時に対戦して足取りで負けた苦い思い出がある。「早く当たりたいですね。“宇良対策”はバッチリですから」とプロでの再戦が心待ちの様子。さらに幕下10枚目格付け出しでデビューした東洋大出身の大道改め御嶽海(みたけうみ)とも連絡を取り合っているという。
この日、母校・日体大では卒業式が行われた。「同級生からは『頑張ってくれ』とメールがきました。式典には出られなかったですけど、大学の卒業式の日にプロデビューしたのは運命だと思います」と決意を新たにしていた。