白鵬「集中したかった」一問一答
大相撲春場所(22日千秋楽)で史上最多記録を更新する34度目の優勝を果たした横綱白鵬(30)=宮城野=が一夜明けた23日、大阪府堺市内のホテルで会見を開いた。
午後1時からの会見。白鵬はやや硬い表情で質問に答えた。
-34度目の優勝を果たし、一夜明けて今の気持ちは。
「早かったような長かったような。今場所はいつもと違う感覚があった。気持ちが入っていかないというか、燃えないというか。3日目に(同じ横綱の)日馬富士関が目の前で敗れて、逆に頑張らないといけないと思った。それに鶴竜関も休場していたので」
-今場所の相撲内容については。
「先場所と今場所とでは内容がまったく違った。(最多優勝新記録のかかった)先場所は目に見えないプレッシャーと戦っていた感じがあったが、今場所は(自分が目指している)『後の先』というのが数番あって、相撲内容としては1段上に上がった感じがする。本場所というのは、人を成長させたり、磨いたりする特別な場所だとあらためて感じた」
-大阪のファンからも大きな声援を受けた。
「大阪はゲンがいい場所。2年ぶりに優勝スピーチを皆さんに届けることができたことが大きかった。それに3月11日は(東日本)大震災のあった日なので、私なりの思いも伝えていきたかった。何十回優勝しても、優勝は人の心を動かすものだと感じる」
-先場所の一明け会見では審判部を批判した。今は(勝負判定を)納得しているのか。
「(宮城野)親方を通じて、(北の湖)理事長とよく話をして、もう終わったことなので。(今場所は)相撲だけに集中したいと思っていた。その結果として、だれが見ても分かる(いい相撲)内容だった」
-15日間、支度部屋で無言だったのは集中したいという気持ちの表れだったのか。
「そうだね。(しばらく言葉に詰まり)思いはたくさんあったけど、それが伝わらなかった。今まで我慢してきて、それがこの大きな結果につながったんだと思う」
-今後は
「応援してくれるたくさんの相撲ファンがいて、その中には白鵬ファンもいる。自分はそういう人たちに支えられながら土俵に上がっている。これからも自分なりのものを作っていきたい」