野村忠宏さん、引退会見で泣く用意

 柔道男子60キロ級で五輪3連覇を果たし、8月31日に現役引退会見に臨んだ野村忠宏さん(40)が、会見で「泣く準備」を整えていたことを公式ブログで打ち明けた。

 五輪で獲得した3つの金メダルと共に壇上に上がった野村さんは、「自分には心の限界はないが、現実的に体の限界だと思った」などと終始晴れやかな笑顔を浮かべながら語った。

 そんな会見を振り返って、野村さんは「人生最初で最後の引退記者会見。笑顔の会見になりました」と、笑顔を通せたことを不思議がった。

 というのも野村さんは、人生初体験の会見に備えて「念のためハンカチを用意した」と、万一涙があふれた場合に備えて、机の下でハンカチを握り締めていたからだ。

 多くの名アスリートが、引退会見では涙を落としてきた。しかし野村さんのハンカチに、最後まで出番はなかった。心の目に「世界を目指す若い選手に、いろんな経験を伝えていきたい。五輪に何らかの形で関われたらうれしい」と、進むべき道がくっきり見えていたからだろう。

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