【主張まとめ】佐野氏模倣あくまで否定

ヤン・チヒョルトの業績を紹介する展覧会の図録の表紙(左)と2020年東京五輪公式エンブレムのデザイン原案
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、都内で会見を開き、佐野研二郎氏がデザインした東京五輪のエンブレムの使用停止を発表した。大会組織委員会の武藤敏郎事務総長はこの日午前、佐野氏と直接会って話し合いを持ち、「佐野氏から取り下げの申し出があった」ことなどを説明した。佐野氏は聞き取りに対し、盗用での取り下げは否定し、あくまで誹謗中傷などで五輪イメージに悪影響を与えるとの判断での取り下げであることを強調したという。佐野氏の主張のポイントをまとめた。

 佐野氏との話し合いの席には、五輪エンブレム審査委員長の永井一正氏も同席。佐野氏は「デザインが模倣であるということで、取り下げることはできない」と主張。一方で「昼夜問わず、誹謗中傷が続いている」「(このままでは)一般国民に受け入れられず、オリンピックのイメージに悪影響を及ぼす」ことを理由に、白紙撤回に同意したという。

 永井氏も賛同し、ほかの7人の審査委員については電話などで連絡。うち1人が「デザイナーとしては盗用とは思わない」と異論を述べたが、ほかの意見は「やむなし」「永井さんに一任」だった。

 佐野氏は、原案が似ているとされるヤン・チヒョルト展(13年11月に銀座で開催)には「確かに見に行った」ことを認めた上で、原案に似ていると指摘されるポスターなどについては「記憶にありません」と話し、エンブレムについては「全く模倣していません。オリジナルのもの」と主張したという。

 同エンブレムは7月24日の発表から“盗用疑惑”が浮上。決定的となったのは、8月28日に組織委員会が行った会見で、公表された佐野氏の原案、そして佐野氏側が制作したエンブレムの展開例として活用した風景デザインにも“パクリ疑惑”が浮上したことだった。

 原案は13年に東京で開催されたタイポグラフィの巨匠「ヤン・チヒェルト」の展覧会で使用されたロゴに酷似。展開例で使用した羽田空港や渋谷の背景は別の個人のサイトで公開された写真と酷似しており、無断流用が指摘されていた。

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