バレーボール女子 リオ切符を逃す
「バレーボール女子W杯、米国3-1日本」(5日、日本ガイシホール)
世界ランク5位の日本は同1位の米国に敗れ、今大会上位2カ国に与えられる16年リオデジャネイロ五輪出場権を逃した。第1セットを先取したが、第2セット以降は、米国の高さに屈し、逆転負け。来年5月の世界最終予選兼アジア大陸予選(東京など)で再度、五輪切符獲得に挑む。6日の最終戦は、世界ランク3位の中国と対戦する。
再び日本の“ひ弱さ”が顔を覗かせた。勝つしかなかった日本だったが、米国に逆転負け。五輪切符は、来年5月の世界最終予選兼アジア大陸予選に持ち越しとなった。
大きなホームの声援を背に、第1セットは古賀、長岡、木村らアタッカー陣のスパイクが決まり、鮮やかな攻勢で25-20でものにした。しかし、つかんだ流れをあっさりと手放してしまうのが今の日本だ。第2セット、序盤は大竹のブロックなどでリズムよく運んだが、中盤からミスが出て勢いを失った。サーブでも攻めの姿勢が消えると、流れは完全に米国へ。その後は米国の圧倒的な高さに、攻撃が跳ね返され、実にブロックポイント16点を献上した。今大会の3敗はすべて第1セットを奪ってからの逆転負けだ。木村沙織主将(東レ)は「データではW杯で切符を獲ったチームが、五輪でもメダルを獲っている。だから、今大会で本当に切符を獲りたいと思っていた。残念です…。自分たちのミスから相手を乗せた。何か、もう1つ足りなかった」と唇を噛みしめた。
間違いなくホームの利はあった。大会前の抽選では、開催国に与えられた東京ラウンド5日間のうち2試合の試合指定権を駆使。真鍋監督が「初戦でロシアは避けたかった。前回初戦でイタリアに負けて苦しんだから。休養後も動きがよくないので」と話したように、4年前のW杯で初戦イタリアに苦杯をなめた経験から、大会2日目に難敵ロシアとの対戦を指定し、もう1試合を他国の試合を指定することで、エンジンの掛かりにくい初戦と休養日明けの試合に世界ランク下位のチームと当たるように調整した。
仙台ラウンド、名古屋ラウンドは日本協会、国際連盟、中継局のフジテレビとの調整で決まり、やはり休養日明けには下位チームとの対戦が決定した。世界ランク1位の米国、同3位の中国とはラスト2戦まで当たらない組み合わせ。そんな盤石の日程を組める利点も、生かしきれない。この日、大アウェーの中国に乗り込み、五輪切符を獲得したバスケットボール女子とは、あまりにも対照的な結果となった。
16年リオデジャネイロ五輪の金メダル獲得を目標にする中、厳しい現実を突きつけられた。6日の最終戦はアジアのライバル、中国と対戦。「来年のリオ五輪でも対戦する相手。なんとしても最後は勝って終わりたい」と、指揮官。難敵に一矢報いることで、来年へのせめてもの希望を灯したい。