日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）は７日、都内で臨時理事会を開いた。理事会では組織委員会の担当者が佐野研二郎氏がデザインした東京五輪のエンブレムが白紙撤回となったことを経緯説明とともに「この度は国民、ＪＯＣの皆さんにご迷惑をお掛けし、重ねてお詫び申し上げます。信頼の回復に努めてまいりたい」と謝罪した。

　あるＪＯＣ理事からは「エンブレムの決定も、今回の取り消しについても（組織委の）理事会の決定を経ていない。公益法人としてコンプライアンス違反ではないか」と指摘する声も出た。公益法人法では業務執行において理事会が責任を負うことが明確にされている。

　エンブレムの取り消しについては、組織委と佐野氏と審査委員代表の永井一正氏の三者会談で取り下げを決めた後、組織委の森会長、東京都の舛添知事らで構成される調整会議で報告されてから発表された。

　組織委員担当者は謝罪を重ねながら「途中経過は報告されていた。エンブレムについて選定、取り消しにおいて理事会の決定を得ていないことは明らかな違反とはいえない。少しトゥーマッチではないか」と、反論。新たな議論が勃発していた。