元旭天鵬の大島親方が来日時の思い出話
7月の名古屋場所限りで現役を引退した大相撲の元関脇旭天鵬の大島親方(友綱部屋)が12日、東京・両国国技館の相撲教習所で行われた「相撲塾」のイベントでトークショーにゲストとして参加。約200人のファンの前で親方になった心境や現役時代のエピソードを語った。
幕内格行司・木村銀治郎との対談形式で行われたトークショーでは、故郷モンゴルでの思い出や92年3月に先代大島親方(元大関旭国)にスカウトされて大相撲界に入門した時のいきさつを披露。モンゴルは1990年まで社会主義国だったため日本の情報が乏しく、「サムライがチョンマゲを結って刀を差している国だと思っていた」という。
元小結旭鷲山ら6人で来日。最初は自動販売機が珍しく、コンビニに行かず自販機でジュースを買うのが楽しみだった。半年後に集団でモンゴル大使館に駆け込む騒動を起こしたりしたこともあったが、師匠夫妻の説得などで部屋へ戻った。「それからは気持ちを入れ替えて頑張りました」と当時を振り返った。
23年以上にわたる長い現役生活を終えて、秋場所では親方として初めて臨む本場所となる。「いつもなら初日の直前でピリピリしているけど、今は何もすることがなくてポカーンとしている感じ。でも、国技館を全部回るのが楽しみ。力士の時は出来なかったので」とにこやかに語った。
断髪式のある引退相撲は来年の5月29日に両国国技館で行われる。11月8日からはチケットの前売りを予約が始まる予定で、現在はホームページを立ち上げる準備やポスターを作成している。「やることがいっぱいあって、これからが大変。奥さん(恵子夫人)からは“パソコン教室に通ったら”と言われてるよ」と笑わせた。