バドミントン山口茜「地元を大事に」
バドミントン女子で世界ランク10位の山口茜(18)=福井・勝山高=が6日、都内で行われた再春館製薬所の新入団選手発表会に出席した。同チームには五輪出場経験のある末綱、前田、垣岩らも所属するだけに「先輩たちに続きたい」と、来年のリオデジャネイロ五輪、5年後の東京五輪での活躍を誓った。
勝山のスーパー高校生の新たな門出に、テレビカメラ約50台、報道陣230人が詰めかけ、五輪での活躍への期待度の高さを伺わせた。来春から熊本県に拠点を置く再春館製薬所に所属することになり、同県の営業部長兼しあわせ部長である、くまモンとも共演。現在の心境を漢字一字で「茜」と記し、「(勝山の)家を出るのは初めてなので、新天地で心機一転、パワーアップした山口茜を見せたい」と意気込んだ。
国際舞台でグローバルな活躍を見せる山口の原動力は、一転して“ローカル・パワー”だ。地元・勝山市への恩返しの年と位置づけた高校ラストイヤーは、五輪レース中にもかかわらず8月の世界選手権出場を辞退し、高校総体への出場を“英断”。進路を決めたのもこの時期で、「再春館製薬所のチームの雰囲気が温かく家族みたいで、少し勝山に似ていた」と決め手を説明した。来年の五輪初出場を見据え、「総体に出て、進路も決まって気持ちが整理できた。思い切って世界と戦える」と覚悟を決めた。
チームの今井彰宏監督(45)も同郷の勝山市出身。「(山口が)小学5年の頃に初めて会って、地元に戻る度に一緒に練習したりしてきたが、まさかここまで強くなるとは思わなかった。今や日本の宝なので、五輪で活躍できるように全力でサポートしたい」と期待を込めた。
熊本に拠点を移す山口だが、“勝山愛”も変わらない。「地元が増える感じ。二つの地元を大事にしながら、世界と戦いたい」と、倍になった地元パワーを武器に、五輪のメダルを取りに行く。