卓球女子の世界ランク４位で、１６年リオデジャネイロ五輪代表に内定している福原愛（２６）＝ＡＮＡ＝が２６日、ポーランド・オープンを終えて羽田空港着の航空機で帰国した。ダブルスではリオ五輪団体戦代表候補の伊藤美誠（１５）＝スターツ＝と組み、中国ペアから１勝を挙げて「初めて組んだとは思えない」と好感触を示した。

　「愛＆美誠」が上々発進だ。９月にリオ五輪代表に内定後、伊藤とは試合直前に国内で２回、現地で２回ほど練習を行っただけの急造だったが、１回戦でいきなり中国ペアに勝利。準々決勝で敗れたものの中国ペアから１ゲームを奪い、ポテンシャルの高さを見せつけ、「初戦にしてはすごくよかったと監督にも言われた。私も初めて組んだとは思えない」と手応えを口にした。

　組んでみてあらためて発見したのは、１５歳の勘の良さだった。「美誠は１球前、２球前の話をしても『あれですね』とすぐ理解してくれる。すごく頭がいい。とってほしい球も反応が速いのでとってくれる」。実力を認めているからこそ、年長としてそれをいかに引き出すかがテーマだ。「美誠は奇想天外なプレーが持ち味なので、私と組むことでそれが消えないように、のびのび自由にやってほしい。私も経験があるけど、年上の選手と組むと緊張したり遠慮したりするので、『何かあれば試合後じゃなく試合中に言ってね』と話しました」。

　ダブルスとしての伸びしろは無限大だ。「まだまだお互いのシングルスの力だけでやっていて、１＋１＝２という感じ。これからどうすればお互いのいいところを出せるかを言い合って、理解し合って、１＋１を３や４にしていきたい」と、リオ五輪を見据えて課題も見えた。

　１２年ロンドン五輪の団体戦では石川、平野早と銀メダルを獲得し、リオでは石川、伊藤と悲願の金メダルを目指す。１５歳の新星を加え、「ダブルスで誰が出てくるかわからないのが日本の強み」と再びスクランブル態勢を築き、“新旧天才卓球少女”はさらなる化学変化を起こしていく。