スキージャンプ葛西 妹の死を乗り越え

 ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(43)が20日、ブログを更新し、13日に妹の前川久美子さんが38歳の若さで亡くなったことを報告、「まだシーズン真っ只中なので悲しみを引きずってはいられません」と、前を向くコメントをつづった。

 葛西のブログによると、久美子さんは16歳で再生不良性貧血という血液の難病にかかり、余命5年と言われたが、何度も大きな手術を受け、入退院を繰り返していたという。訃報が届いたのはフライング選手権の会場となるオーストリアに到着した13日で「着いてすぐに姉から電話があって、めったに電話をかけてこないので、電話に出る前にすぐに妹のことだとわかりました」という。

 久美子さんは昨年5月に意識を無くしたといい、「それから8カ月一度も意識を戻すことなく、母親の元へ旅立ってしまいました」。だが、葛西はすぐに戻らず、「妹のために」フライング選手権で意地の5位入賞を果たして帰国。葬儀などは葛西の帰国を待って18、19日に地元・北海道でしめやかに行われた。

 「まだシーズン真っ只中なので悲しみを引きずってはいられません。今日から僕はまた強くなっちゃいましたよ」と悲しみを押し隠し、必死に前を向くレジェンドは、23、24日に行われるW杯札幌大会に出場予定。天国の久美子さんへ大ジャンプを届けるはずだ。

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