青学の原監督、マラソン代表選考に持論
今年1月の箱根駅伝で2連覇を果たした青学大が5日、東京都渋谷区の青山キャンパスで優勝報告会を行った。
指導する原晋監督(48)は、リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた2月の東京マラソンで2年の下田裕太(19)が日本人2位になったことを受け、「(最後の選考レースとなる)びわ湖毎日マラソン(6日)で誰も設定記録(2時間6分30秒)を切れなければ、選考要項を白紙にすべきではないか。陸上界は、皆さんがハッピーになれるような仕掛けを用意すべき」と持論を展開。「(19歳に挑戦させて)フレッシュジャパンでよくないですか?」と、あらためて下田をリオ五輪代表に推薦した。
駅伝の日本一チームを指導しながらマラソンでも勝負できることを証明した指揮官が、92年バルセロナ五輪銀の森下広一以来、メダルから遠ざかっている日本男子マラソン界に一石を投じた。04年に就任し、「ワクワク大作戦」「ハッピー大作戦」などを掲げながら箱根制覇の悲願も達成した原監督は、次なる“革命”として「学生のうちから五輪のマラソンに挑戦すること。そして20年東京五輪でメダルを獲得することが次の目標」と青写真を描く。
リオ五輪の代表選考に関しては、あくまで日本陸連が定めた要項に従うことを大前提とし、「(びわ湖毎日で)派遣設定記録を切ってほしい」と期待を込めた。ただ、もし突破する選手が出なかった場合は、20年東京五輪も見据え、将来有望な若手を抜てきするべきと唱(とな)えた。
「次の五輪が東京じゃなければこんなことは言わない。(代表3枠を2枠に)減らすのは論外。日本人横綱とマラソンのメダルは国民の悲願でしょ。社会があっての陸上界で、国民の皆さんをハッピーにしないといけない」
選考方法についても改善の余地があるといい、「世の中に広く意見を募ることが大切」と指揮官。現状のシステムについては「タイムと勝負は別物なので、両方狙わせることに無理がある」と指摘し、「例えばポイント制の導入がひとつ。五輪までの4年で1万メートル、ハーフマラソン、フルマラソンのベストタイムをポイント化してもいい」と腹案を披露した。今後の議論の呼び水になりそうだ。