白鵬 変化で36度目V館内大ブーイング

優勝者インタビューで感極まって涙を流す白鵬=エディオンアリーナ大阪(撮影・佐藤厚)
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 「大相撲春場所千秋楽」(27日、エディオンアリーナ大阪)

 横綱白鵬が結びで横綱日馬富士に勝ち14勝1敗とし、史上最多を更新する4場所ぶり36度目の優勝を果たした。しかし、日馬富士の突進を白鵬がよけるような形になり、日馬富士が土俵外に飛び出してしまうあっけない結末に、館内のファンからは大ブーイングが飛んだ。優勝インタビューでは、白鵬が涙ながらに取り口を謝罪するシーンもあった。

 立ち合い、右手を日馬富士の顔に差し出した白鵬は、次の瞬間、左に動いた。目標を失った日馬富士は踏ん張り切れずに土俵外へ。決まり手は突き落としで、白鵬の優勝が決まった。今年の初場所9日目、栃煌山戦で見せたのに似た取り口だった。

 これに観衆は大ブーイング。座布団を投げてしまう人もいた。NHKによる大相撲中継で解説を務める元横綱の北の富士勝昭さんも「変化はやめてほしいね。昔はこんなことなかったと思うよ」と残念がった。

 優勝インタビューでは、白鵬にファンから厳しい声と温かい声援の両方が飛び交った。「8カ月の長い間、優勝から遠ざかってましたので…」「今までね。…。すいません」と度々、言葉を詰まらせた。自ら、「2日目からいい相撲ではありましたけど、本当に千秋楽、ああいう展開で決まると思わなかったんで、本当に申し訳ないと思います」と千秋楽の相撲を謝罪した。

 目頭を押さえ、人目をはばからず涙をぬぐった白鵬。インタビュー後半はほとんど質問に答えられず、「すいません」「15日間、ありがとうございました。以上です」と声を振り絞った。父でモンゴル相撲の代横綱ムンフバトさんが年1回の大会で6度優勝しており、年6場所制の日本換算で肩を並べたことにも感慨深げだった。

 放送席の北の富士さんは、白鵬の涙に「ちょっと大人げなかったかな」とポツリ。「この一番だけですからね。問題なのは。本人も反省はしているし、来場所また、素晴らしい横綱が見られるのではないでしょうか」と語った。

 白鵬の前に大関稀勢の里が大関豪栄道との2敗対決を制していたが、優勝決定戦とはならなかった。土俵下で白鵬の優勝を見届けると、口を結んだまま引き揚げた。

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