「競泳・日本選手権」（８日、辰巳国際水泳場）

　男子２００メートル平泳ぎの決勝が行われ、２００４年アテネ、０８年北京両五輪の１００・２００メートル平泳ぎの金メダリスト、北島康介（３３）＝日本コカ・コーラ＝は２分９秒９６で５位となり、５大会連続の五輪代表はならなかった。

　北島はレース後のインタビューで、「悔しさは残っているが、ある意味すがすがしさがある。最後まで自分らしい攻めのレースができたんじゃないかと思う。結果はああ（代表ならず）だったが、オリンピックに行くんだという気持ちを持ってやれた。頑張りきった思いがある。悔しいけど晴れ晴れしい。やりきった感でいっぱいです」と語った。

　さらに「オリンピックしか僕には残った道がなかった。その中で去年から自分を奮い立たせられ、ここにいる。最後まで平井（伯昌）コーチとタッグを組めて悔いはない。幸せだけど、やっぱり平井先生と（五輪へ）行きたかった」と話しながら、目には涙がにじみ出した。

　それでもインタビューでは毅然（きぜん）とした態度を守り、「プロになってから（所属先の）日本コカ・コーラさんの応援に感謝します。１０年以上いろいろあって、消化や整理ができてない。最後は不本意だったけど、お客さんにパフォーマンスを見せられたことを次のステージにつなげたい」などと話した。

　北島はまた、今後について問われると、「今後？終わったばかりだからね、ハイ」と明言を避けながら、「その涙は？」と向けられると、今度は対面する取材陣の中にも涙を見せる姿を見つけ、「インタビューの人も泣いてんだもん。ずるいわ」と逆に突っ込みを入れた。

　そして、再び今後に関する質問に対しては、「オリンピックに行くことを目標にしてきたので、終わって数分で決めるのは安易な答えになってしまうので、控えさせてください」と語った。

　北島は００年シドニー五輪で１００メートル平泳ぎ４位。０４年アテネ、０８年北京五輪で２大会連続平泳ぎ２冠。１２年ロンドン五輪では、１００メートルで５位、２００メートルで４位。４００メートルメドレーリレーで銀メダルを獲得した。