北島、五輪ベストレースは北京の100
競泳男子100メートル、200メートル平泳ぎの元世界記録保持者で、2004年アテネ、08年北京五輪で2大会連続2冠に輝いた北島康介(33)=日本コカ・コーラ=が10日、東京辰巳国際水泳場で引退会見を開いた。五輪でのベストレースに2大会連続の金メダルを当時の世界新記録で決めた北京五輪の100メートルを挙げた。
「北京の100じゃないですかね」。五輪のベストレースを尋ねられた北島はこう答えた。04年アテネ大会でも競り合ったライバルのブレンダン・ハンセン(米国)に代わってアレキサンドル・ダーレオーエン(ノルウェー)が浮上。準決勝ではダーレオーエンが当時の五輪記録59秒16で全体トップに立ち、北島はそれに続く59秒55の全体2位で決勝に進んだ。
準決勝直後に「彼がターゲットになると思う」とダーレオーエンを強く意識し臨んだ決勝。前半はダーレオーエンがトップで、北島は3位でターンした。だが、浮上してきた時には先頭に躍り出ていた。最後まで推進力は衰えずゴールへ。58秒91という当時の世界新記録で2大会連続の金メダルを獲得した北島は両手を突き上げて雄たけびを上げた。
予選、準決勝とダーレオーエンのタイムに遅れをとりながら決勝で結果を残す理想的な試合運びだった。この日の引退会見で北島は「予選からの流れもあって、ダーレオーエン選手がすごく強かったというのと、100%勝てるかどうかは分からないというのがあった中で、ああいうレースができたっていうのは、金メダルを含め、記録も含め、パーフェクトな泳ぎができた会心の泳ぎができたのかなと思います」と振り返った。