世界女王破った美誠、勝因は相手の分析
卓球のリオデジャネイロ五輪アジア予選(香港)で世界女王の丁寧(中国)を破った日本代表・伊藤美誠(15)=大阪・昇陽高1年=が15日、関西国際空港着の航空機で帰国した。
14日の準々決勝で世界ランク10位の伊藤は、同2位で昨年世界選手権の覇者を相手に4-2で勝利。「中国人選手のトップレベル、世界ランク3位以上に勝ったのは初めてなので自信になった。次も対戦が楽しみ」と快挙に笑顔を弾けさせた。
5度目の対戦で相手の苦手も分析していた。「胸元を狙う感じで。中国人選手もそこは取りづらいんだと分かった。何回もやって、そこは効くと認識していた。最初から最後まで攻められたかな」と、振り返った。
過去4度は1ゲームしか取れず今回は「2ゲーム取れるように頑張ろう」が目標。2ゲーム先取したことで「そこからもっと楽になった。達成感があった。そこが良かったかな。3-1になるとは」と勢いで押し勝った。
第2ゲームで右手親指付け根を台にぶつけ負傷しながらの大金星。「痛いのを忘れてしまって精いっぱいやった。ボールが思ったように来なかったからかな」と、“けがの功名”も勝因に挙げた。
石川佳純との準決勝では負傷の大事を取り、第1ゲーム終了後に無念の途中棄権となった。「勝ちたかったけど、無理せず」と大事を取っての措置。16日にも病院でレントゲン検査を受ける予定だが「きのうケアしてもらって、骨には異常はないと言ってもらった。打撲。下から思い切りぶつけたから」と、安どの笑顔を浮かべた。
4月から高校生となり好スタート。香港に出発前は「大人に見られたい」と話していた伊藤は、長い髪をかき上げながら、充実感いっぱいに帰路に就いた。国内でつかの間の休養後は国際試合、ポーランドカップ(20~24日)、アジアカップ(ドバイ、28~30日)に出場予定で、リオ五輪に向け、万全に仕上げていく。