アトランタ金の中村氏が大野らに助言
柔道男子でリオデジャネイロ五輪代表の大野将平(24)、永瀬貴規(22)、羽賀龍之介(25)の3選手が29日、所属先の旭化成の壮行会に出席した。96年アトランタ五輪金メダリストで旭化成の中村兼三監督(42)は「あの時は私に勢いがあった。五輪は流れも大事なので、自分にいい風が吹くように準備して、畳の上で思い切り暴れて欲しい」とエールを送った。
金メダルへの“秘密奥義”は日頃の行いだ-。2人の兄とともに「中村3兄弟」の三男としてアトランタ五輪に出場した中村監督は、男子71キロ級で快進撃を見せ、金メダルに輝いた。決勝ではリードを許しながらも、時間切れ直前に相手に注意が与えられ同点になり、旗判定で逆転勝利。自身の神がかり的な実体験を踏まえて、「五輪では勢いや運も大事。その運を呼ぶためには、会場で応援してもらえるような行動も大切。周囲や相手への目配りや心配りで気づくこともある」と説いた。
大野は「中村監督が話していたように、五輪では一番強い選手が(そのまま)金メダルを獲得するわけじゃない」と納得顔。「旭化成に入社して3年ですけど(そのことを)伝えていただいた。柔道以外でも人間としての力を見せたい」と気を引き締め直した。