【舩越園子の目】スピース輝かせる敗者

 「マスターズ・最終日」(12日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)

 ジョーダン・スピースの完全優勝で幕を閉じた今年のマスターズ。21歳の独走は誰にも止められなかったが、ベテラン選手たちの敗北の弁は、それはそれで見事だった。

 フィル・ミケルソンは開幕前、優勝スコアは通算14アンダーになると予想。そして「僕自身、すごくいいプレーをして僕が14アンダーを出した」にも関わらず、スピースから4打も離された2位に終わり、「話はシンプル。21歳の若者に凌駕されたということ」と完敗を認め、勝者を絶賛した。

 ミケルソンとて、こよなく愛するオーガスタでどれほど4勝目を挙げたかったことか。その悔しさを心からの賛辞に変えた姿が素敵だった。

 4位に終わったローリー・マキロイは2011年の全米オープンで2位に8打差つけて圧勝した彼自身の経験を引き合いに出し、「18番グリーンに向かうウイニングウオークの最高の気分をジョーダンと共有できてうれしいよ」。そして「ジョーダンは僕が21歳だったときより、ずっと成熟した大人だ」と最高の賛辞を送った。マキロイとて、グランドスラム達成のチャンスを逃し、どれほど悔しかったことか。

 そんなグッドルーザーたちがいるからこそ、勝者が一層輝く。敗者にも幸あれ。そう願わずにはいられない。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)

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