【舩越園子の目】松山、首位でも向上心
「フェニックス・オープン・第1日」(4日、TPCスコッツデール=パー71)
2016年の自らの初戦となった先週のファーマーズ・インシュアランス・オープンで、まさかの予選落ちを喫した松山英樹。ショットが不調で「この順位になっても仕方ない」とサバサバしていた。だが、悔しくないはずはなく、「スイング自体を修正できなかった悔しさのほうが強い」。
アスリートとしての松山は向上心の塊だ。何位に後退したとか、予選落ちしたという結果そのものより、悪い結果を導き出すことになった原因の方に目を向ける。予選落ちとなった原因はスイングを修正できなかったこと。自分で自分のゴルフを向上させられなかったこと。だから巻き返せず、予選落ちにつながっていった。「そっちのほうが悔しい」という言葉は、そういう意味だったのだ。
そして今日、フェニックスオープン初日に暫定首位に浮上。ショットは決して絶好調ではなかったが、名物16番ではピン2メートルに付ける見せ場も作り、はた目には明らかに向上して見えた。だが、そう尋ねると「変わってないです!」。
首位に躍り出たその日でさえ、自分の技術の向上や達成に少しでも納得がいかなければ「良くなった」とは決して言わない。このストイックさ、この頑固さこそが松山の強さだ。
(在米ゴルフジャーナリスト)