【舩越園子の目】スピース、初日首位
「マスターズ第1日」(7日、オーガスタナショナルGC=パー72)
2連覇がかかるジョーダン・スピースが2年連続で初日を首位発進。しかし66の好スコアの陰には想定外の出来事があった。
前日、練習場でドライバーを打っていたとき、弾道の異変に気づき、よくよく見たらフェースに亀裂が入っていた。すぐさま契約メーカーから同じヘッドを4つ提供してもらい、亀裂の入ったヘッドを外してそのシャフトに4つのヘッドを次々に差し込んではボールを打って最終的に1つを選び、そうやって作った「急場しのぎのドライバー」で初日に挑んだ。「理想の状態ではなかったけど、なるべく3ウッドを使ったし、今日は大きな問題ではなかった」。
米TV解説者は「急に変わるとしたらヘッドよりシャフトのほうが問題」と、壊れたのがヘッドでまだマシだったというニュアンスの解説をしていたが、エースドライバーが使えない状態で1番ティーに立ったスピースの胸の内を想像すると、彼の心の強さに、あらためて驚かされる。
スピースいわく、ドライバーのフェースに同じような亀裂が入ったのは「これで3本連続なんだ」。過去にも同じ経験があったからこそ、慌てずに対応できた?ともあれ、スコアや心には亀裂が入らなくて良かった。
(在米ゴルフジャーナリスト)