桑名正博さん死去、59歳 祈り届かず
脳幹出血で意識不明の状態となっていたミュージシャンの桑名正博さんが26日午前、呼吸不全のため入院先の大阪市内の病院で亡くなった。59歳だった。
桑名さんは7月15日未明に大阪市内の自宅で倒れ、同市内の病院に緊急搬送された。当時、会見した医師は「病状は極めて深刻」と話していた。その後、桑名さんは闘病を続け、長男でミュージシャンの美勇士(31)らが奇跡を信じていたが、祈りは届かず帰らぬ人となった。通夜は29日に、葬儀・告別式は30日に大阪市立葬祭場「やすらぎ天空館」で営まれる。
桑名さんは倒れたとき、自宅で「頭が痛い」と言い、居合わせた関係者が救急車を呼んだ。しかし、病院に到着したときには呼吸が止まり、意識不明の状態だった。担当医は「脳幹出血で非常に重篤な状況」と説明。出血が激しく脳幹が破壊され、手術は不可能と判断していた。
しかし、桑名さんを慕って音楽仲間や友人らが病室に見まいに訪れると桑名さんは反応を見せ、周囲は回復を信じていた。8月7日に桑名さんが59歳の誕生日を迎えた時も美勇士は「酒だぜ、そろそろ飲みたいだろ」とツイッターに書き込み、父親と酒をくみ交わすことを願っていた。
桑名さんは79年のヒット曲「セクシャルバイオレットNo.1」などで知られる。80年には歌手のアン・ルイスと結婚し、84年に離婚した。今年はデビュー40周年の全国ツアー中だった。