猿之助 勘三郎さんの死に輪廻転生ある
歌舞伎俳優・市川猿之助(37)が14日、都内で、15日に開幕する主演舞台「助太刀屋助六 外伝」(東京・ル テアトル銀座、24日千秋楽)の公開げいこに出席した。
5日に急性呼吸窮迫症候群のため57歳で亡くなった歌舞伎俳優・中村勘三郎さんについて、「悲しいけれど、事実だからね」と自分に言い聞かせるように語った。
10日の通夜や11日の密葬に神妙な面持ちで駆けつけた猿之助。勘三郎さんの早すぎる死に「輪廻(りんね)転生ってあるから」と前を向くと、「(勘三郎さんの)孫の七緒八(なおや)くんの子供くらいで生まれ変わってくるときに、歌舞伎がなかったら大変だからね。子供の世代に歌舞伎を残すのは僕らの務め」と歌舞伎の灯を絶やさないことを固く誓った。
主演作は、6月に猿之助襲名後、歌舞伎や踊り以外で初の舞台。時代劇でありながら生演奏のブルースをふんだんに盛り込んだ痛快活劇で、海外公演も期待できる自信作に仕上がった。
猿之助は、勘三郎さんも観劇を約束していたという舞台をひっさげ、「ニューヨークに行きたい」とプランを披露。ところが、04年に平成中村座ニューヨーク公演を開催した勘三郎さんを思い出すと、「じゃあ、フランスあたりにしとこうか。パリでね」と笑わせていた。