今月５日に父・中村勘三郎を亡くした歌舞伎俳優の中村勘九郎（３１）が２１日に放送されたＮＨＫのローカルニュース番組「ニューステラス関西」（月～金曜、後６・１０）で、「（父の）魂を引き継いでいく」などと語った。

　京都・南座で襲名披露公演の真っ最中の勘九郎。５日未明に父の最期を看取ると、京都にとんぼ帰りし、１日も休演することなく、舞台を務めている。インタビューは公演の合間をぬって数日前に行われ、勘九郎は浴衣姿で取材に応じている。

　５日の口上では、涙をこらえ「悔しいと思っているのは父。父のことを忘れないでください」と観客に語りかけた。この口上について、勘九郎は「あまり覚えてないんですけど、しっかりしないといけないと思いました。ここで崩れちゃいけない…と」と心境を吐露した。

　続けて「父も３０代で自分の父を亡くして、本当に大変だったと思う。子供２人いて…。その中で、いろんなことに挑戦して、切り開いていく“有言実行”が格好よかったです。その魂は引き継いでいくつもりです。それが『勘九郎』じゃないですか」と自らに言い聞かせるように話し、父から引き継いだ中村勘九郎という名前と、魂の継承を誓った。

　南座での公演のため、勘九郎と弟の七之助は通夜と告別式に出席することはできなかった。２６日に公演は千秋楽を迎える。勘三郎さんの本葬は２７日正午から、東京・築地本願寺で行われる。