府と市の教育委員衝突 橋下市長が仲裁
大阪市立桜宮高の男子生徒自殺問題で、同校体育系2学科の入試が中止されたことに伴い、24日、大阪府と大阪市が今後対応を協議する公開会議が開かれた。橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府知事と、府市の両教育委員長らが出席。市側が府側に、“受け皿”として府立高体育科の定員増を求める場だったが、会議中に両教育委員長が激しく衝突してしまい、橋下市長がたまらず「組織の面子(メンツ)なんかいいでしょ!」と仲裁に入った。
テレビカメラも入った公開会議は、市側の要請に松井知事が「オール大阪でやりましょう」と即座に快諾し予定の30分で終了する“流れ”だった。
だが陰山英男・府教育委員長が要請受諾の意思を示したうえで、市教委が示した桜宮高改革案に「抜本的な改革案でない。全力で立ち向かっていこうというメッセージが感じられない」「あの校長の名前の入った卒業証書を渡すつもりか」などと厳しく追及した。
これに長谷川恵一・市教育委員長が「自分のところ(府立高)の実態をお調べになってから言ってほしい」「これは市教委の責任でやらせてもらう」と興奮気味に反論した。
両者に挟まれた橋下市長、松井知事が苦笑いを浮かべるシーンも。最後はたまらず橋下市長が「もう、やめましょう」と仲裁に。長谷川氏に「市教委の責任と言うなら自殺者なんか出すな」と一喝し、「この会議、公開ですよ。これを見た人は、大阪府と大阪市の教育委員会はどうなってるんだと思いますよ」と制した。
まさかの論戦となった会議は1時間以上に及び、市教委側は桜宮高校の校長を、現在外部人材を登用する方向で人選を進めていることなどを説明。最後は両者の協力体制を確認した。
しかし、終了後の会見で、府に要請をするのかと問われた長谷川氏は「要請しません」ときっぱり。これに橋下市長が「いや、僕からします」と述べ、松井知事ら府側も了承した。