「アンナさんは無実」-原作者が擁護
8月に上演予定だった、モデルで女優の土屋アンナ(29)の初主演舞台「誓い~奇跡のシンガー~」が公演中止となった件で、原作者の濱田朝美さんが29日深夜更新の公式ブログで製作者サイドの発表を事実無根とし、土屋さんの無実を訴えた。
舞台は車いすシンガーで知られる濱田さんのベストセラー「日本一ヘタな歌手」が原作。原因不明の難病にめげず歌い続ける主人公・朝子を土屋アンナが演じることになっていた。
濱田さんのブログによると「最初の段階でこの舞台の話に関して、私は製作者側から全く許可を取られていませんでした。私が舞台の存在を知ったのは、友人からネットに出ていたよ!というメールが来たのがきっかけでした」。濱田さんが自分でネット検索して確かめると、もう記者会見の1週間前だった。
濱田さんは製作者サイドに連絡を取り、本の出版社の元担当と舞台の監督に会えたが「既に私から舞台の許可を取ったと言われ」詳細な説明や正式な謝罪はなかったという。
しかし、聞いた限りの説明はとんでもない話だった。濱田さんが1年半ほど前に多摩センターで路上ライブしていた際、元担当が舞台監督を連れてきて「今後何か協力して下さるかもしれないから、ご挨拶して」と言われ、濱田さんは自己紹介して「今後何かありましたらよろしくお願いします」と挨拶した。それをもって、この業界では許可した事になるのだ、と言われたのだ。
後になって濱田さんが許可したことを何度も否定すると、舞台監督は「別に貴女でなくとも、障がい者はたくさん世の中にいる」と言い放ったという。
また、原作が内容とは多少異なるため「そんなに許可と騒がなくてもいい」とも言われた。
その際は一応、濱田さんに台本を見せてその上で正式に許可してほしいということになったが、待っても台本は届かず、7月16日に突然、プレミアライブ「舞台の成功をみんなで祝うパーティー」の案内が届いた。
不快に思った濱田さんだが、舞台監督に会うためパーティーに行ったものの、目的は果たせなかった。しかし、その席で土屋アンナと対面し「舞台の台本は見ましたか?貴女は本当にこの内容で許可を出したの?」と優しく尋ねられた。
そこでこれまでのいきさつを説明したところ、アンナは共感し、監督に「濱田さんが納得できるものにしてください」と掛け合ってくれた。だが監督は全く聞き入れず、濱田さんには同意書が送られてきて、毎日のように「サインするように」との電話が入るようになった。濱田さんはサインしなかった。
やっと27日に台本が送られてきたが、「私の本が原作とは思えない程、内容が異なっており、自分の人生を侮辱されたような気持ちでした」と濱田さんはやはり許可は出さず、自分の本を原作とはしないで全くのオリジナルとしてやって頂きたいという意向を伝えようとしていた。その矢先、騒動が表面化した。
今回の件で製作者サイドはホームページで、中止の理由を「主役の土屋アンナ氏が公的にも私的にも何らの正当な理由なく無断で舞台稽古に参加せず(参加予定の稽古(本番直前の通し稽古を除く)8回中最初の2回のみ参加し、その後すべて不参加)、専らそのことが原因で同公演を開催することができなくなりました」としている。
これに対してアンナの所属事務所は、そのHPの記載内容に関して「事実無根の内容にただただ困惑しております」と、文書で事実関係を否定している。
公演は8月6~9日に東京・草月ホール、8月16~18日に兵庫・あましんアルカイックホールで上演予定だったが、公式HPではチケット払い戻しを行う旨も記載している。
濱田さんはブログでいきさつの詳細を説明した上で「土屋アンナさんは全くの無実です」と証言している。