藤圭子さん、幼い宇多田を「天才よ」
22日にマンションから飛び降り自殺した歌手・藤圭子さん(享年62)をデビュー前の16歳の頃に自宅に預かっていたエッセイストの海老名香葉子さん(79)が23日、取材に応じ、「あんなに人なつっこい人が(周囲との関係を絶つほど)寂しい状態に追い込まれた。よっぽど苦しいことがあったはず…。ただ無念」と悔やんだ。都内で行われた今年3月に亡くなった作詞家・石坂まさをさん(享年71)をしのぶ会で取材に応じた。
藤さんは、故郷の北海道から石坂さんに連れられ上京。1年弱にわたって海老名さんの夫である先代林家三平さん宅に預けられ、生活していた。デビュー後は自宅を出たが交流は続いたという“東京のお母さん”は「純ちゃんは(※藤さんの本名、阿部純子から)、キャンペーンが終わるとファン50人を我が家に連れてきて、ご飯を食べさせた」と懐かしそうに振り返った。
長女の宇多田ヒカルが小学生のころも、海老名家に頻繁に訪れ「おかみさん、この子は天才よ」と歌声の入ったデモテープを毎回置いていったという。
しかし次第に疎遠になり、約15年前、新幹線の車内で偶然に会ったのが最後。藤さんは「ご無沙汰してごめんなさい」と泣きながら抱きついたという。
今年3月、藤さんが石坂さんの葬儀を欠席した際には「米ロサンゼルスで心療科に入院している」と聞いていただけに「新宿に住んでいたなんて」とショックを隠せない様子の香葉子さん。藤さんが晩年は周囲との関係を絶っていたことを「あんなに人なつっこい人が寂しい状態に追い込まれた。よっぽど苦しいことがあったはず。もっと早く私のところに来てくれたらよかったのに」と涙ぐんだ。