戸田恵子 恩人やなせたかしさん偲ぶ
「アンパンマン」シリーズなどで知られる漫画家のやなせたかし(本名・柳瀬嵩)さんが13日午前3時8分、心不全のため東京・順天堂病院で亡くなった。94歳だった。故人の遺志により、葬儀は近親者のみで執り行っており、後日しのぶ会を開く。
アンパンマンの声優を務める女優・戸田恵子はマスコミ各社にファクスを送付。「やなせ先生こそがアンパンマンそのものでした。いつでも優しさで私達を包んでくださり、分け合うことを教えてくださった」とアンパンマンの精神をなぞらうように思い出を語り、「ただひたすらありがとうざいましたと感謝を申しあげるしかないのですが、今は決して無くしてはいけない大切な道しるべを喪った感覚です。悲しすぎて全く力が入りません。合掌。」と感謝の言葉とともに、声優として大成するきっかけとなった“恩人”の死を悼んだ。
戸田は小学生のころからNHK名古屋放送児童劇団に在籍し、「中学生日記」で女優デビュー。その後、故・野沢那智さん主宰の劇団薔薇座に入団。看板女優として活躍する一方、声優としての活動をスタート。アニメや洋画の吹き替えを担当するなど、しばらく声優としての活動が中心となる時期があったが、1997年、三谷幸喜氏脚本によるドラマ「総理と呼ばないで」をきっかけに、女優として積極的にドラマに出演するようになった。
2008年7月にアニメ「アンパンマン」の映像化20周年記念パーティでは、「まさか20年続くとは。さらに20年、30年を目指したい」と話していた。