やなせたかしさん、生前葬計画していた
10月13日に心不全のため94歳で亡くなった「アンパンマン」産みの親の漫画家・やなせたかしさんが生前葬を計画していたことが分かった。
アニメ「アンパンマン」でアンパンマンの声を担当した女優の戸田恵子が6日、公式ブログに震災前に撮ったやなせさんとのツーショットを掲載、「この頃、先生はシャレで生前葬をやりたいと言ってらした」と打ち明けた。
生前葬に添える本の出版も予定していたようで「発売予定の本には皆からの弔辞を載せたいとのことで、私も嘘だと分かっていても泣きながら書きました」。
しかしその生前葬は行われず、本も出版されなかった。「未曾有の大震災が起こって、先生は生前葬を撤回!死んでなんかいられない」と、既に92歳となり漫画家引退も考えていたやなせさんは奮い立った。
それからというもの、被災地向けにアンパンマンのポスターを制作したり、奇跡の一本松をテーマにしたCDを自主制作するなど震災復興に尽力し続けた。
戸田がブログに掲載した写真の背景は、アンパンマングッズがいっぱい飾られているやなせスタジオのインタビュールーム。やなせさんの死から発表までの2日間、遺体はここに安置されていたという。
「先生はこの場所がお気に入りでした。お亡くなりになって病院から先生は、ここに帰ることが出来ました。世間に発表されるまでの2日間、先生はここでたくさんのグッズに囲まれて本当に安らかなお顔で横たわってらっしゃいました」
戸田はそう明かして「徳を積んだ方の崇高なお顔でした」と、その際に向き合ったやなせさんの様子を初めて伝えた。