板東英二 仕事復帰への執念と理由とは
個人事務所が名古屋国税局の調査を受け、約7500万円の申告漏れを指摘されて以後、芸能活動を休業していたタレントの板東英二(73)が10日、大阪市内のホテルで会見し、「ごめんなさい!」と謝罪した。問題発覚から約1年。沈黙を保ってきた板東がこの問題で公式に語るのは初めて。
会見中、何度も涙を流し、騒動を謝罪して頭を下げた。騒動によって、計8本のレギュラー番組を降板し“無職状態”にある板東は「あつかましいお願いですが、仕事をするチャンスをください」と懇願し、73歳とは思えぬ仕事への執念を繰り返し語った。
復帰にこだわる理由を聞かれた板東は「私は旧満州国から敗戦と同時に母親のもんぺをつかんで5歳の時に引き上げてきました。徳島の収容所に収容されて…それから…食べるものがなんにもなかったんです。芋のつるに塩をかけて食べて過ごして参りました。ずっと夢みたのが1日でいいから3度の食事に白いごはんが食べたいなと。そう思いながら毎日、毎日生活していました」と貧しかった幼少時代を振り返った。
そのうえで「プロ野球に入って夢かないました。そうしますと、僕はこれを逃してはならないと思い一生懸命やったんですが、解雇されて」と1959年に中日ドラゴンズに入団するも69年に引退したことを残念そうに振り返った。続けて、「貧しかったことを二度としたくない思いで、ただひたすら働いても働いても、その恐怖感で、今日までやってきました」と引退後もタレントとして必死で働き続けた理由を明かした。
「今も僕は生活の基本は…年をとっていっても、自分自身で稼いだお金で、自分だけは…それを、まっとうしたい。どなたにも迷惑をかけてはいけない思いを、いまさらながらにしております。ですから一生懸命、まだまだ働こうと思っております」と仕事復帰への思いを語った。
会見の最後でも「これからも一生懸命やります」「働くこと以外に能のない男です。仕事ください」と頭を下げた。