釈由美子、父との葛藤を打ち明ける
女優の釈由美子(35)が24日の父の誕生日に際して、幼い頃からの父との葛藤を同日のブログに記した。
65歳になったという父について釈は「見た目は、頭が寂しくなったの以外はあまり変わらないのですが、中身はだいぶ丸くなりました」と、その変化を感じている。
幼いときの父は厳格で「口を開けば、ダメ出しばかり」で、一度も褒められた記憶がない。そんな父に少しでも認められたいと、釈は勉強を頑張って学級委員長になったり、剣道部に入りもした。しかし「見向きもされず、物心ついたころからバカだ、ブスだと言われ続けていたから四姉妹のなかでも私だけ、圧倒的に写真が少ないのも頷けました(釈は次女)」と劣等感を抱き続けた。
自分の名前の由来について、釈はかつてブログで明かしたことがある。あるとき父に尋ねたところ「昔のオンナの名前だ」というとんでもない答えが返ってきた。以来、釈は誰にも自分のことを「由美子」と呼ばせない。
芸能界に入って、釈は「怖くて、心細くて、孤独で 誰が味方で誰が敵なのか 一番甘えたかった家族にも 絶望や失望感が積み重なり 心を深く閉ざしていました」と、家族にさえ救われなかったその頃の孤独を振り返る。
芸能人になった釈に、父は酒を飲むたびに「調子に乗るな」と絡んできたという。なのに経済的には「自営業の両親の経済的負担を私だけに負わされ もし私が普通の仕事をしていたら こんなに心が壊れることもなかったのか、と悔やまれることもありました」と、四姉妹の中で釈だけが重い荷物を負わされ続けた。
しかし、そんな父が毎年、家族を旅行に連れていってくれた姿から「背中を見るだけで父の愛情深さが伝わりました」と、語らない思いを分かってもいた。
そして今、釈は父と2人で山登りを楽しむこともある。今年4月から釈がNHKの山番組のMCを務めることになり、学生時代に登山部に所属していた父と話が弾むようになった。
「あんなに、無口だった父が 嘘みたいに 山の話になると止まらなくなるくらい饒舌に話すのです」
誕生日前日の23日、釈は出版した著書「釈ボディ」の握手会に臨んでいた。見に来ていた母を送りがてら、実家に帰って父にサプライズ・プレゼントを贈った。
父が以前から欲しがっていた1~2人用のテント。いつも父がキャンプ用品売り場で見つめながら、高額で手が出せずため息をついていた様子を釈は分かっていた。
父は子どものようにはしゃいで、このプレゼントを喜んでくれたという。父の口から「ありがとう」のひと言はなかった。しかし釈は「それでも それでも ずっと、父の誕生日を毎年、お祝いし続けたいと思います」と心に決めた。