2年連続紅白出場の美輪、今年の曲は…
美輪明宏の2年連続2度目のNHK紅白歌合戦出場が決まった。初出場の昨年は、「ヨイトマケの唄」が曲別の視聴率でも上位にランクされる45・7%を記録。中高年だけでなく、初めて耳にする若者の心もとらえ、インターネットでも大反響を呼んだ。
それから1年。今回、新たに歌う曲が注目されるが、実は今年1月から3月までデイリースポーツ紙上で連載した美輪の連載コラムの中で、この企画の構成を担当した私に候補曲を予告されていた。1月29日付紙面で、美輪は「今年も出場なら」と前置きした上で、偉大なシャンソン歌手であるエディット・ピアフが歌ったフランス語版「愛の讃歌」か、戦災孤児をモデルにした自作「ふるさとの空の下」の2曲を候補曲に挙げている。
「愛の讃歌」は越路吹雪をはじめ、日本でも歌い継がれてきたシャンソンのスタンダード・ナンバーだが、美輪は原詞にこだわる。流行歌的な“愛”ではなく、エゴを捨てた“無償の愛”が原曲の世界観であり、日本で翻訳された歌詞では、ピアフ自身がつづった本当の思いを言い尽くせない、それでは彼女が報われず、かわいそうだと語った。「自分のことなどどうでもいい、高く青い空が頭の上に落ちてきたって、大地が割れてひっくり返っても、そんなことはどうってことありゃしない、あなたの愛の前には…」という、スケールが大きく宇宙的で壮大な“愛”なのだと。言葉に国境はない。フランス語の歌を日本で唄っても大丈夫だと確信し、実際、美輪はコンサートでそのスタンスを貫き、今年の公演でもクライマックスでフランス語版「愛の讃歌」を熱唱していた。
また、2013年がピアフの没後50年の節目であることも大きい。この曲を今年の紅白で採用する大きな理由となるし、意義のある選曲となる。コラム連載当時、美輪は「まだ1年近く先の話ですが、再び紅白に出させていただけるということになれば、『愛の讃歌』は候補曲です」と明言していた。若い世代からインターネットで「愛の讃歌を歌ってください」というリクエストを目にしたことも、その思いを強く後押したという。
もう1曲、「ふるさとの空の下」は、本人が接した実在の戦災孤児がモデル。美輪と同郷の長崎出身の少年だが、故郷を離れている間に原爆で家族を亡くした、その彼から身の上話を聞き、美輪が作詞した作品だ。「(東日本)大震災でふるさとをなくした方たち、そこから立ち上がる人たちの姿が、この歌にぴったりだなと思います。こちらも候補になります」。そう、美輪は語っていた。
果たして、歌われる曲はどちらか。個人的にはピアフ没後50年ということや、知名度の高さ、そして原詞の世界を世間にも広く伝えたいという思いから、「愛の讃歌」と予想する。もちろん、いい意味での“裏切り”で、アッという第3のサプライズ選曲があれば、それはそれで歓迎だが、まずは「愛の讃歌」だと考えている。そうなれば、お茶の間で日本語字幕が出ることになる。(デイリースポーツ・北村泰介)
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