北島三郎 紅白から引退を表明

 歌手の北島三郎(77)が5日、東京・渋谷にある所属レコード会社「日本クラウン」で会見し、今年の出演を最後にNHK紅白歌合戦から卒業することを表明した。

 今年で紅白歴代最多50回目の出演。節目を花道に、年末の風物詩から身を引く。

 「半世紀となる(紅白)50回という区切りに1つの線を引きます。50回目(の出演)が決まったら、というのは春ごろから決めていました。(決断には)勇気を必要とするし、寂しさもある。でも、ズルズルしていくのは好きじゃない」

 ただし、歌手引退は否定。「引退するつもりはない。北島三郎はやめません。ビートルズの彼(ポール・マッカートニー)も(来日公演に)来たじゃないですか」。続けて体調面も万全だと強調したが、舞台公演に関してはすでに決まっている来年以降について明言しなかった。

 紅白卒業はNHKサイドからの打診ではなく、自らの決断という。紅白から身を引く背景には、後進の演歌歌手に道を譲りたいという強い思いがある。

 「いつまでも壁になって、先輩面しているのはよくないと思う。歩いてきた道を譲って、開けてあげるのもいい選択だと思う。芸能界もこの50年で大きく変わりました。でも、誰かが何かをしていかないと変わらないのかな、と思います。(後輩には)自信を持って、自分たちの歌を放っていったらいいんじゃないかな(と言いたい)」

 紅白とともに歩んできた50年。視聴率や出演歌手など番組の置かれた状況は少しずつ変わってきている。それでも、紅白への思いは変わらない。

 「紅白は絶対にやるべき。終わってすぐに新しい年を迎える。元気を与える番組の1つだなぁ、と」

 有力視される大トリは故・美空ひばりさんと並んで11回となる。代表曲「まつり」の歌唱が濃厚だ。「『まつり』でいきたいですね。線を引いたからには、北島三郎の心を込めた歌を是非やりたい。悔いのない1本の線を引いて歌いたいです」。2013年を集大成の歌声で締めくくる。

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