岸部四郎 「ルックルック」緊急降板で大混乱 経営会社不渡り…倹約家の顔も

 再結成した「ザ・タイガース」が27日、東京ドームで行ったツアーの最終公演に、元メンバーの岸部シローこと岸部四郎(64)が、サプライズで登場した。四郎は、左手のひらに黒マジックで「トラブル」と書いて会場のファンに披露した。脳梗塞で死の淵をさまよった男、四郎は、1998年、多額の借金を背負って、自己破産。司会を務めていた平日の情報番組「ルックルックこんにちは」(日本テレビ系)を突如、緊急降板し、局側は大混乱となった。

 【以下、1998年4月7日付本紙より】

 日本テレビ(読売テレビ系)「ルックルックこんにちは」(月~金曜、前8・30)の司会を務めていたタレント・岸部四郎(48)が6日、自ら経営していた会社が不渡りを出したのを理由に、6日の放送をもって突如、同番組を降板した。突然の降板申し入れに、日本テレビ側も大混乱。後任の人選などに苦慮している。

 岸部は3日に「ルック‐」担当プロデューサーに、「ひょっとすると不渡りを出すことになるかもしれない。6日に決済が行われれば、はっきりする」と話していた。だが正式に降板を申し入れたのは、6日の生放送の直後だった。

 いつもと同じように放送を済ませた岸部は、局側に「不渡りになります。ご迷惑をかけることになるので、番組を降板したい」と申し入れたという。それを受け、日本テレビでは午後3時に降板を決定した。同番組の司会は沢田亜矢子からバトンを引き継ぎ、13年半も務めていた。

 岸部はタレント活動のかたわら、会社を経営し、経済関連の講演活動を行うなど、芸能界でも企業家として知られた人物。その活動は手広く、投資から骨董(とう)品販売、運輸業、ライブハウス経営にまで及んでいたという。

 また「倹約家」としても有名で、83年には、「暗くならずにお金が貯まる」などの著書を発売。90年から93年までは高額納税者リストの常連だったほど。94年には再婚するなど、順風満帆だった。だが、バブルがはじけ、会社経営は急速に悪化していったという。

 前日の5日ごろから「会社の経営が悪化しているらしい」と局内でうわさにはなっていたものの、スタッフも降板については何も知らされておらず、突然の降板劇にビックリ。視聴者にも7日の番組内で岸部の降板を伝えることになるという。

 日本テレビでは現在、後任の人選に大わらわ。とりあえず7日以降の放送は、これまでも岸部の夏休み時などに司会を務めていた松永二三男アナウンサー(46)が務めるが、その後のことは「視聴者の反応を見て決めたい」と未定の状態だ。

 当の岸部はえ降板決定以後、姿を隠したままで、事務所の対応も一切なし。これまでワイドショーの司会者として同様の事件を伝えてきた立場だけに、説明が待たれる状態だ。

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