“たかじん伝説”一晩に18軒はしご

 お笑いコンビ・トミーズのトミーズ雅(54)が8日、亡くなった歌手でタレントのやしきたかじんさんの訃報を受け、若手時代に目にしたたかじんさんの武勇伝や、教え込まれた哲学を明かした。この日、所属事務所を通じて追悼コメントを発表。1990年代に読売テレビ「たかじんnoばぁ~」に出演するなど、若手時代に慕い続けた、たかじんさんの死を悼んだ。

 雅は「自分の芸人人生で影響を与えている1位の人。本一冊書けるぐらい、いっぱい思い出がある。恐ろしいくらいおもしろい人」と振り返った。

 夜の街で数々の武勇伝を残した“たかじん伝説”の一端も披露。1フロアに3店舗づつスナックがある6階建て雑居ビルを、たかじんさんが「上から攻めるぞマサ」と、上階から順番に入店。「ビール2本、チェック!」などと、一晩で18軒のスナックを回り、勘定をを18回繰り返した後に「これが芸の肥やしや、おもろい人間になるんやったらこれくらいせい」と言ってのけたという。

 たかじんさんからは「芸人は自分からお金を生んでるのではない。金魚なんや、世間からの餌がなければ生きていけない。世間の人がお金を払ってくれるから俺らが生きていける。そのお金を貯めてはいけない。そのお金は使って、世間の人がホッとするような泳ぎ方をする、それが生き様や。テレビで出てない所でも芸人らしく生きなさい」との哲学を教え込まれたという。

 そのうえで雅は「24歳から38歳まで、ずっと離れずにいたが、38歳の時に離れた。離れないと、たかじんさんの横ばっかりになる」と、自立を決意した経緯を明かした。

 以降は、あえて共演を避けたが、そんな雅にたかじんさんは「一本立ちしたのだから好きなように生きなさい」と喜んだという。

 突然の訃報に雅は「そんなに悪かったのだったら一度くらい行った方がよかったのかと悔いが残ります」と悲しみ、「あえて言うなら僕の師匠。感謝しかない、本当にありがとうございます」と感謝した。

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