橋下氏イラッ!大阪市長選はドタバタに
橋下徹前大阪市長(44)の辞職に伴う出直し市長選が22日、選挙戦最終日を迎えた。再選を目指す橋下氏は同市内の4カ所で演説。夜にラスト演説を行った難波・高島屋前には約1000人の聴衆が集まったが、その会場に対抗候補が続々と現れ、異例のゴタゴタ劇に発展。日本有数の都市の首長を選ぶ選挙戦とは思えぬ様相を呈し、橋下氏は「これが民主国家の姿なのか」とブチ切れ寸前だった。
午後7時すぎ、橋下氏が最後の演説を行っている最中に、まずは選挙カー前の車道に対抗候補のマック赤坂氏(65)の陣営が姿をみせた。マック赤坂氏は、インドの修行僧風の衣装で、頭にも僧侶風のカツラをかぶり、さらにはバニーガールのような耳をつけていた。
選挙カーの上の演説台にいた橋下氏は演説を止め、最初は聴衆に向け「マックさんはフラストレーションがたまってるみたいなんで、勘弁してあげてください」と苦笑していた。だが、マック赤坂氏の陣営がタンバリンを鳴らし「マック」コールをあげるようになると「皆さん、これが民主国家の姿なんですかね」と怒りをにじませた。今回の選挙戦に関するメディアの報道不足を不満としている橋下氏は、怒りが相まってか「ちゃんとメディアが(選挙戦を)報じないと、こんな風に選挙がグチャグチャになる。これがその姿だ」と批判の矛先を報道各社に向けた。
ドタバタはさらに続き、マック赤坂氏の陣営が去った後には藤島利久候補(51)の陣営が選挙カーで登場。橋下陣営から約50メートルの場所に陣取り、同時演説を開始した。周囲は両陣営のマイク音声が交錯して、聞き取りにくい展開になったが橋下氏は演説を続行し、聴衆からの質問に答えた。通常の選挙戦では、各陣営が紳士協定の意味合いも含め、同時演説は行わないのが通例。それも守られないという極めて異例の展開となった。
看板政策「大阪都構想」の議論停滞脱却を訴え、出直し選に打って出た橋下氏に対し、自民など他会派が公認候補擁立を見送った今回の市長選。争点も見えにくくなり、6億3000万円の費用が投入されるとされる選挙戦には各方面から疑問符がついていたが、そのラストは、選挙戦らしからぬゴタゴタ劇で幕を閉じた。
市長選には橋下氏、マック赤坂氏、藤島氏と、無所属の二野宮茂雄氏(37)が立候補している。
なお、橋下氏は23日の開票後は会見などを行わないことを演説で表明した。