近大入学式にがん療養中のつんく♂祝辞
喉頭声帯がんで闘病中の音楽プロデューサー・つんく♂(45)が5日、自身のプロデュースで行われた母校・近畿大学(大阪・東大阪市)の入学式に祝辞を寄せた。
大掛かりなパフォーマンスで魅了した式のクライマックスは、自らのメッセージだった。フィナーレ直前、療養の合間を縫って届けられたメッセージが、自身の映像とともにスクリーンに映し出された。
「ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私、現在病気治療中でして、現場に行けなくなったことを非常に残念に思っております」と現状を説明し、「誰かにリスペクトされるような達人になって欲しいと思います」と新入生へのエールを展開。約5分にわたって代読されると、7000人を超える新入生でにぎやかだった会場は、その一言一言に引き込まれるように静まっていった。
つんく♂は当初、入学式に出席を予定していたが、3月6日にがんを患っていることを告白。現在は入院はしていないものの、通院治療中のため、欠席となった。それでもこの日、「Ustream」で中継された式の様子を見ており、ツイッターで「皆様ご入学おめでとうございます。本日は参上出来ず申し訳ございません。オープニングからハラハラドキドキしながら見ております。このハラハラドキドキがあるから人生は楽しめるんですよ」とつぶやいた。このツイッターは式の途中、スクリーンで紹介され、会場からは大歓声が上がった。
式のオープニングでは、つんく♂の発案により、在学生および新入生16人で結成されたユニット「KINDAI GIRLS」が登場。モーニング娘。のヒット曲「そうだ! We’re ALIVE」を披露した。リーダーの医学部5年・寺田桜子さんは「つんく♂さんとはお会いできませんでしたが、手紙で『僕は見ているよ』と伝えていただきました。1カ月ほどの練習は、つらいときもあったけど、新入生の皆さんへも、何かを伝えられたのではと思います」と感無量の様子だった。