上方歌舞伎を代表する名跡、四代目中村鴈治郎＝がんじろう＝を襲名する歌舞伎俳優の中村翫雀＝かんじゃく＝（５５）が１４日、都内で会見し、大阪への“移住”を宣言した。現在は都内在住だが、「襲名を期に住民票を移して大阪で税金を払おうと思っています」と考えを明かした。

　東京の家を引き払うわけではなく、決意を形にする意味あいが強いが、長男の中村壱太郎＝かずたろう＝（２３）も父とともに住民票を移す意向だという。襲名披露公演も翫雀の希望で２０１５年１月の大阪松竹座からスタートする。

　三代目だった父（坂田藤十郎）よりも祖父の二代目鴈治郎にあこがれが強かったという。鴈治郎の紋である「イ菱（いびし）」の裃（かみしも）を着ての記念撮影に「とにかくうれしかったですね」とニコニコ。「襲名したら“鴈治郎さん”ではなく“鴈治郎はん”と呼ばれたいですね」と心の引っ越しはすでに完了しているようだった。