“日本一の斬られ役”福本清三、主役に「心臓ばくばく」

舞台あいさつした福本清三(左)と山本千尋=東京・新宿バルト9
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 55年の俳優人生で5万回以上斬られ、日本一の斬られ役と称される俳優の福本清三(71)が12日、都内で、初主演映画「太秦ライムライト」の初日舞台あいさつを行い、恐縮しきりだった。

 京都・太秦を舞台に、時代劇の斬られ役を主人公にすえた意欲作。これまで主役の影で作品を支えてきただけに、福本は「心臓ばくばくしてます。とにかく、斬られ役の映画なんて誰が見てくれるのかと(撮影後の)1年間、心配していました。決して主役ではなく、斬られ役をやらせていただいたという感じです」と素直な思いを口にした。

 フリートークのコーナーでも「僕は全然…」と発言を“拒否”する謙虚ぶりだったが、時代劇の未来について聞かれると口調は熱をおびた。かつて年間400本の時代劇が製作された黄金時代があったが、現在では作品数が減少。同じ時代劇でも、CGやワイアーを使った作品が増えている。

 半世紀を時代劇とともに生きてきた福本は「いろんな時代劇があっていいと思います。ピアノ線を使ったアクションも生まれている。みなさんで時代劇を応援してもらいたい」と、これからも斬られ続けていくつもりだ。

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