橋下市長批判「朝日の罪は大きすぎる」
大阪市の橋下徹市長(45)が6日、朝日新聞が5日付紙面で、同紙が32年前から16回にわたって報じた従軍慰安婦の強制連行に関する日本人男性(故人)の証言に基づく過去記事を撤回したことに対し、「朝日の罪は大きすぎる」と15分間にわたり橋下節をさく裂させた。
昨年の橋下市長の慰安婦発言が、各種検証報道が活発化させた一面もあり「そらもう政治家冥利に尽きる」と満足そうだった。
大阪市役所で登庁時に朝日新聞の過去記事撤回に関して問われると、ノンストップの“演説”がスタート。「産経新聞ががんばった」と同紙の慰安婦問題に関する活発な検証報道を賞賛し「32年間、頑なに過ちを認めてこなかった朝日新聞が白旗を挙げた」と断じた。
そのうえで「少し言わせてもらうと」と切り出し「慰安婦問題に関しては、国民的な大きな議論の広がりにならなかったところを、僕が(昨年に)発言したことが少しでもきっかけになったんであれば、そらもう僕は政治家冥利に尽きますよ」と得意顔。「僕にどぎつい批判をしてきたコメンテーターは、何と言うのか」と熱弁が止まらなかった。
朝日新聞は5日付紙面で、同紙が80年~90年代に16回報じた、旧日本軍が済州島(韓国)で、慰安婦にするため暴力を使って無理やり女性を連れ出したとする日本人男性の証言を「虚偽だと判断し、取り消す」とした。
ただ橋下氏は、今回の朝日新聞の撤回を持って「保守派が鬼の首をとったように、日本を正当化するのは大きな間違い」と述べた。一方で、証言した日本人男性の著書が「96年の国連の人権報告書の基礎資料になっている」と指摘。「朝日が大宣伝したせいで、日韓関係がこじれた」と糾弾し「今回の問題をこれで収束させてはいけない」と語った。
公務の時間の関係で、大演説は15分で切り上げたが、最後は「またやりましょう」と、次回定例会見で“延長戦”を行うことを予告した。