中村翫雀 史上初「真冬の船乗り込み」
来年1月に上方歌舞伎の大名跡である四代目中村鴈治郎を襲名する歌舞伎俳優の中村翫雀(55)が17日、大阪市内で、「四代目中村鴈治郎襲名披露 初春大歌舞伎・二月大歌舞伎」(来年1、2月、大阪松竹座)の製作発表会見を行った。
会見では、翫雀の襲名を記念し、12月28日に大阪・高津宮で祈願後、大阪松竹座まで船を仕たてて水路で向かう「船乗り込み」を実施することが発表された。
船乗り込みは例年、7月に同所で行う「七月大歌舞伎」の行事として6月末から7月初旬にかけて行われ、大阪の初夏の風物詩ともなっている。襲名記念としては、十五代目片岡仁左衛門(70)が1998年3月に実施して以来16年ぶりで、関係者によると、真冬の時期に行うのは史上初だという。
乗り込むのは屋根のない船で、いわば“吹きさらし”の状態。氷点下になる可能性もある年末に行うのはきわめて異例で、翫雀も苦笑いしていた。
また翫雀は会見で、父・坂田藤十郎(82)が1990年に三代目中村鴈治郎を襲名した際の興行に関し、女優で元参議院議員も務めた母・扇千景(81)のエピソードを紹介。「(襲名興行の)その間だけ、落選しとったんですよ。この夫婦はなんて運が強いんやと。議員してたら、劇場にいられませんけど、全部いられたんです。しかも、その後でまたすぐ繰り上げ当選して…」と笑わせた。