「呪い」のカーネル像 本社栄転で出世

 1985年の阪神優勝時に、虎ファンに胴上げされた末に大阪・道頓堀川に投げ込まれ、09年に24年ぶりに発見されたケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース像」が“本社要職”に就く出世を果たしていたことが20日、分かった。長く不遇の憂き目に遭い、これが85年以降、阪神が日本一から遠ざかる“カーネルの呪い”とささやかれていたが、最近は好待遇にご機嫌の様子だとか。ついに呪縛が解ける時が来たのか!?

 阪神の9年ぶり日本シリーズ進出を受け、デイリースポーツが、カーネル像が“勤務”しているはずの阪神甲子園店を訪ねると「昨年、東京に栄転しまして」との説明が。

 日本KFCホールディングス社に問い合わせたところ、昨年3月から東京で“本社勤務”となり、社内に設置され、来賓・来客を出迎える重要任務に就いていた。

 「お客様や社内見学の学生の皆さんにも好評で、喜ばれております」。湿度など保管状況にも気を配り、大切に扱われる好待遇を受けているという。

 このカーネル像は85年当時、大阪「道頓堀店」(現在は閉店)の店頭に設置されていたところ、Vフィーバーに巻き込まれた。当時の主砲ランディ・バースに似ていたため虎ファンに胴上げされ、そのまま道頓堀川にドボン。行方不明となった。

 その後、阪神は暗黒時代に突入。一方のカーネル像は、大阪市の川底清掃や、名物テレビ番組、ABC「探偵!ナイトスクープ」が捜索を行っても見つからず。阪神は03年、05年にリーグ優勝を果たすも、日本一を逃し“カーネルの呪い”とささやかれた。

 しかし09年3月、カーネルが投げ込まれた地点から約180メートル下流の川底から、水辺工事中の工事関係者によって発見され“奇跡の生還”と沸き上がった。

 ただその後も、阪神はやや不遇の展開は続いた。

 修復作業、神社でのおはらいも行われ、当時の真弓明信監督の「甲子園に置かなアカンやろ」との意向を受け、阪神球団が甲子園球場の“守護神”として迎え入れようと獲得に動いた。KFCの本場、米国のメジャー球団・カブスまでもが獲得に乗り出すも、輸送時の保管リスクが懸念され、地の利で阪神優位。ところが、最終的には甲子園球場の事情が障害となり「野球と直結していない」「企業色が強い」などのお堅い理由で、甲子園永住が認められず破談に。

 10年3月から甲子園球場近くのKFC阪神甲子園店の店内に設置され25年ぶりに“店頭業務”に復帰。ファンに親しまれていたが、昨年3月の店の改装工事を機に“本社栄転”が決まったという。

 苦節29年、今は“本社の顔”として丁重に扱われ、過去の因縁も水に流す気分になったのか。阪神も近年の呪われたようなCS不調から抜け出し、快進撃でシリーズに進出。同社では「ぜひ日本一になって、呪いの存在を打ち消してください」と期待している。

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